十二支の五行と一粒万倍日|暦を学ぶ
おかげさまで、最近お財布のオーダーが増えており、「使い始めはいつが良いですか」というご相談もあわせて多くいただくようになりました。そこで今回は、一粒万倍日・天赦日・不成就日が重なる、2026年7月19日を例に取り上げながら、暦の仕組みを一緒に見ていきたいと思います。
2026年7月19日(日)|天赦日 × 一粒万倍日 × 大安 × 不成就日
01 / 天赦日の仕組み

天赦日は「季節×たった1つの干支」で決まる、年に数回のレア日

天赦日は、暦の中でも最上の吉日とされていますが、決め方自体は一粒万倍日よりもさらにシンプルです。1年を四季(節切り)に分け、それぞれの季節に「この干支の日だけが天赦日」という、たった1つの十干十二支が割り当てられています。

春|立春〜立夏前日

戊寅(つちのえとら)の日

夏|立夏〜立秋前日

甲午(きのえうま)の日

秋|立秋〜立冬前日

戊申(つちのえさる)の日

冬|立冬〜立春前日

甲子(きのえね)の日

日の干支は60種類(十干10種×十二支12種)が順番に巡っていて、1つの季節はおよそ91日間。60種類のうち、その季節に指定された干支はたった1つしかないため、基本的に季節に1回、巡ってこない季節もあるほどの希少さです。だからこそ年間では5〜7回ほどしか訪れません。

2026年7月19日は「夏(立夏〜立秋前日)」の期間にあたり、その日の干支がちょうど「甲午」だったため天赦日に。同じ日が偶然、一粒万倍日の対応表にも当てはまり、六曜では大安、そして8日周期の不成就日にも重なった——という、複数の独立した計算が同じ日に集中した結果なのです。
02 / 十二支の五行・陰陽

まずは十二支ひとつひとつの性質を知る

十二支にはそれぞれ、五行(木・火・土・金・水)と陰陽が割り当てられています。これは各支に内包される「蔵干(ぞうかん)」という十干の性質から導かれるもので、一粒万倍日だけでなく、四柱推命や風水全般の土台になる知識です。

木(成長・のびやかさ) 火(発散・情熱) 土(安定・つなぐ力) 金(結実・凝縮) 水(静けさ・流れ)
とら
木の陽
木の陰
火の陽
うま
火の陰
たつ
土の陽
いぬ
土の陽
うし
土の陰
ひつじ
土の陰
さる
金の陽
とり
金の陰
水の陽
水の陰
土(辰・戌・丑・未)だけ4支あるのは、五行の「土」が四季の変わり目すべてに配置されているため。土用(どよう)という言葉も、この4つの土の支に由来しています。
03 / 節月と一粒万倍日の対応

この節月には、この五行の干支の日が一粒万倍日

節月(二十四節気で区切った1ヶ月)ごとに、一粒万倍日となる2つの日の干支が決まっています。色は五行を表しています。同じ節月の中でも、2つの干支の五行が異なる組み合わせが多いことにも注目してみてください。

節月(期間の目安)対応する日の干支
寅月|立春〜啓蟄前日(2月頃)丑の日午の日
卯月|啓蟄〜清明前日(3月頃)寅の日酉の日
辰月|清明〜立夏前日(4月頃)子の日卯の日
巳月|立夏〜芒種前日(5月頃)卯の日辰の日
午月|芒種〜小暑前日(6月頃)巳の日午の日
未月|小暑〜立秋前日(7月頃)午の日酉の日
申月|立秋〜白露前日(8月頃)子の日未の日
酉月|白露〜寒露前日(9月頃)卯の日申の日
戌月|寒露〜立冬前日(10月頃)午の日酉の日
亥月|立冬〜大雪前日(11月頃)酉の日戌の日
子月|大雪〜小寒前日(12月頃)子の日亥の日
丑月|小寒〜立春前日(1月頃)子の日卯の日
見方はシンプルです。たとえば7月頃(未月)なら、五行の「火」にあたる午の日と、「金」にあたる酉の日が一粒万倍日。カレンダーの日干支を確認して、当てはまる日を探すだけの機械的な対応表です。
03+ / 対応表を分解する

2つの干支は、実は別々の法則が重なっている

各節月に割り当てられた2つの干支をよく見ると、まったく性質の違う2本の「時計の針」が組み合わさっていることが分かります。

法則 ①

前支(節月のひとつ前の十二支)

ペアの片方は、必ずその節月の十二支のひとつ前の支。十二支の並びをそのまま1つずつずらしているだけなので、季節の進行になめらかに連動して循環します。

法則 ②

四正の支(子・午・卯・酉)の巡り

もう片方は、東西南北を象徴する4支「子・午・卯・酉」だけが、決まった順番で毎月1つずつ巡っています。4ヶ月でちょうど一周し、1年で3周する独立した周期です。

(4ヶ月で一周)
速さも向きも異なる2つの循環が重なっているため、表全体としては複雑に見えます。ただし、市販の暦や流派によってこの対応表には差異があるとされており、ここで示した分解はあくまで一例(1つの流派の表)にもとづくものです。
03.5 / 比較:不成就日と六曜の仕組み

同じ「暦注」でも、不成就日と六曜はもっと単純な計算

一粒万倍日が「節月×日の干支」という2つの循環を組み合わせた、比較的手の込んだパズルだったのに対して、不成就日と六曜の決め方はさらにシンプルです。仕組みを知っておくと、この後の「代表の声」で語られる距離感の理由も見えてきます。

不成就日

旧暦の月頭から、ただ8日ごと

その月の1日目を起点に、8日おきに機械的にカウントするだけ。中身の吉凶を判断する要素は一切なく、ひと月に4回ほど、ほぼ等間隔で巡ってきます。正式な暦にはほとんど記載がなく、江戸時代の地方暦から庶民に広まった、民間の慣習に近いものです。

191725(8日おき)
六曜

「旧暦の月+日」を6で割ったあまり

旧暦の月の数字と日の数字を足し、6で割ったあまりの数字だけで、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口のどれになるかが一意に決まります。占いでも判断でもなく、単純な足し算と割り算の結果です。

(月+日)÷ 6 のあまりで決定
不成就日も六曜も、その日の出来事やあなたの行動を見て判断しているわけではなく、周期のカウントがたまたまその日に当たっただけ。一粒万倍日のように「節月」や「日の干支」という暦本来の要素と結びついているわけではないぶん、機械的な性格がより強い暦注だといえます。
04 / 自分だけの暦の使い方

「生まれ変わりの日」— 生まれた日の干支から知る、自分だけの節目

一粒万倍日が「みんなに共通の吉日」だとすれば、自分の生まれた日の干支は「自分だけの節目」を教えてくれるヒントになります。日の干支は60種類(十干10種×十二支12種の組み合わせ)で、60日ごとに一巡します。

STEP 1

生まれた日の干支を調べる

干支カレンダーや万年暦で、自分の生まれた日がどの干支(例:甲子・乙丑…)にあたるかを確認します。

STEP 2

五行・陰陽を当てはめる

上の表を使って、自分の生まれ日の十二支がどの五行・陰陽にあたるかを確認。これが自分の日柱が持つ性質のひとつになります。

STEP 3

60日ごとの巡りを「生まれ変わりの日」として迎える

生まれた日と同じ干支は、60日に一度巡ってきます。これが「還暦」のミニ版ともいえる生まれ変わりの日。自分だけの小さなリセット・再スタートの節目として迎えましょう。

60日で一巡
十干十二支は60通りの組み合わせで一巡します。誕生日と同じ干支の日は、暦の上では約2ヶ月に一度巡ってくる「もうひとりの誕生日」のようなもの。一粒万倍日がみんなに開かれた吉日だとしたら、自分の日干支が巡る日は自分自身のための節目。両方を組み合わせてスケジュールを立てると、暦がぐっと自分ごとになっていきます。

たとえば、一粒万倍日に「新しいことを始める」、生まれ変わりの日に「振り返りや整えごとをする」というように役割を分けてみるのもおすすめです。暦は誰かに決められたルールではなく、自分のリズムを見つけるための地図として使うと、日々の過ごし方に自然な区切りが生まれます。
なお、この考え方は60ヶ月(5年)ごとに巡る「生まれ変わりの月」、60年ごとに巡る「生まれ変わりの年」にも広げることができます。

生まれ変わりの日を楽しもう|五行パンダのオンラインスクール

「生まれ変わりの日・月・年」の詳しい考え方はこちら。松岡紫鳳公式LINEに登録すると、前日と当日の2回、生まれ変わりの日のお知らせが届きます

日の干支は毎回変わるので、暦が持つ意味も年ごとに移り変わっていきます。だからこそ私は、一粒万倍日にはちゃんと意味を見出して活用しています。一方で、不成就日や六曜は、そこまで重視していません。もちろん六曜は私たちの文化や習慣に根付いてきたものですから、人と関わる場面では配慮を忘れません。ただ、暦を扱う一人の人間として、自分自身の人生のバイオリズムという意味では、やはり生まれ変わりの日をいちばん大切にしたいと思っています。

松岡紫鳳
暦を学ぶオンラインスクール | 一粒万倍日と五行・陰陽・日柱バイオリズムについて