兄弟喧嘩の上手な仲裁法
親の氣質を知って公平な対応を
「また兄弟喧嘩が始まった…」その時、あなたはどう対応していますか?
毎日のように繰り返される兄弟間の争い。どちらの味方をするでもなく、公平に仲裁したいと思うのに、なぜかいつも同じ子を叱ってしまったり、片方の子から「お母さんは○○ばっかり!」と言われたり…。
実は、兄弟喧嘩の仲裁で「不公平」が生じる原因の多くは、親自身の氣質による無意識の偏りにあるのです。

仲裁で偏りが生まれる理由
親の氣質が仲裁に与える影響
私たちは自分の氣質に基づいて物事を判断する傾向があります。そのため、自分と似た氣質の子どもには共感しやすく、異なる氣質の子どもの行動は理解しにくいものです。
例えば:
- 積極的な親は、おとなしい子の気持ちを軽視しがち
- 感情豊かな親は、論理的な子を冷たく感じがち
- 完璧主義の親は、自由奔放な子にイライラしがち
この無意識の偏りが、兄弟喧嘩の仲裁で「不公平感」を生み出してしまうのです。
氣質別・親の仲裁傾向と改善ポイント
木の氣質の親の場合
仲裁の特徴
- 決断が早く、手っ取り早く解決したがる
- 強い子・積極的な子の意見を採用しやすい
- 「とりあえず謝りなさい」で終わらせがち
偏りやすいパターン
- 「どちらが正しいか」にこだわりすぎる
- おとなしい子の気持ちを聞く前に判断してしまう
- 「強い方が我慢しなさい」と言いがち
改善のコツ
- 意識的に静かな子の話を最初に聞く
- 「ちょっと待って、○○ちゃんの気持ちも聞かせて」
- 結論を急がず、両方の言い分を平等に聞く時間を作る
火の氣質の親の場合
仲裁の特徴
- 感情的になりやすく、その場の雰囲気に流される
- 泣いている子に同情しやすい
- 自分の感情が先に立ってしまう
偏りやすいパターン
- 感情表現が豊かな子に共感しすぎる
- 冷静な子を「冷たい」と感じてしまう
- 「なんで仲良くできないの!」と感情的に叱る
改善のコツ
- まず自分が深呼吸してから仲裁に入る
- 「お母さんも一度落ち着くね」と宣言する
- 泣いていない子の気持ちも必ず確認する
土の氣質の親の場合
仲裁の特徴
- とにかくお母さんの言うことを聞きなさいと押し付けがち
- 表面的な和解で終わらせがち
- 根本的な解決を避ける傾向
偏りやすいパターン
- 「お互い様でしょ」で片付けてしまう
- 争いの原因を深く掘り下げない
- 年上の子に我慢を強いる
改善のコツ
- 時には厳しく対処することも必要
- 「なぜ喧嘩になったのか」原因を一緒に考える
- 「仲良く」だけでなく「解決」を目指す
金の氣質の親の場合
仲裁の特徴
- ルールやお母さんのマイルールを優先する
- 感情より論理で判断しがち
- 完璧な解決を求めすぎる
偏りやすいパターン
- 子供の気持ちの消化の前に終わったこととしてしまう
- 子どもの感情を後回しにする
- ルールを破った方を一方的に叱る
改善のコツ
- まず感情を受け止めることから始める
- 「悔しかったね」「嫌だったね」と共感を示す
- ルールの話は感情が落ち着いてから
水の氣質の親の場合
仲裁の特徴
- じっくり考えすぎて対応が遅れる
- 内向的な子に感情移入しやすい
- 積極的な子を厳しく見がち
偏りやすいパターン
- おとなしい子の味方をしてしまう
- 活発な子を「乱暴」と決めつける
- 仲裁のタイミングを逃してしまう
改善のコツ
- 迅速な対応を心がける
- 積極的な子の言い分も平等に聞く
- 「考える時間」を作りすぎない
氣質の組み合わせ別対応法
積極的な子 vs おとなしい子
よくある状況 積極的な子が一方的に主張し、おとなしい子が黙ってしまう
効果的な対応
- おとなしい子の意見を先に聞く
- 「○○ちゃんの話をしっかり聞いてから、△△君の意見も聞かせて」
- 積極的な子には「相手の話を最後まで聞こうね」
感情的な子 vs 冷静な子
よくある状況
感情的な子が泣いたり怒ったりし、冷静な子が困ってしまう
効果的な対応
- 感情的な子の気持ちをまず受け止める
- 「悲しかったんだね。どんなことが起きたか教えて」
- 冷静な子にも「どう思った?」と感情を確認
競争心の強い子 vs 平和主義の子
よくある状況 競争心の強い子が勝ち負けにこだわり、平和主義の子が嫌がる
効果的な対応
- 競争心の強い子に**「勝ち負けじゃなくて、どうしたら二人とも嬉しいかな?」**
- 平和主義の子に**「嫌なことは嫌って言っていいんだよ」**
- 両方が納得できる解決策を一緒に考える
年齢別対応のポイント
幼児期(3-6歳)
- 感情の言語化が最優先
- 「悔しかったね」「嫌だったね」
- 仲直りはスキンシップで
学童期(7-10歳)
- 公平性に敏感な時期
- 話を聞く時間を計って平等に
- 子ども自身に解決策を考えさせる
思春期(11歳以上)
- 親は相談相手として
- 個別に話を聞く時間を作る
- 自分たちで解決する力を育てる
松岡家の兄弟喧嘩エピソード
キャンドル夫婦と3人の息子たち
我が家では私も2番目のパパもキャンドル(火の氣質)。そんな火に偏りがちな家庭で、次男の海くん(水の氣質)の行動に最初は戸惑うことが多くありました。
ある日の兄弟喧嘩 長男の太陽くん(火の氣質)と次男の海くん(水の氣質)が何かで言い争いに。太陽くんは「僕が正しい!」と主張し、海くんはスッと部屋を出て行ってしまいました。
火の氣質の私は、つい太陽くんの主張に耳を傾けがちでしたが、氣質診断を深く研究していく中で「海くんの気持ちを聞いていない」ことに気づいたのです。
改善後の対応
- まず海くんを追いかけて個別に話を聞く
- 「どんな気持ちだった?」とじっくり聞く
- その後、太陽くんの話も平等に聞く
- 二人で解決策を考えてもらう
この変化で、海くんも自分の気持ちを素直に話してくれるようになりました。
まとめ:公平な仲裁のための3つのポイント
1. 自分の氣質の偏りを知る
まず親である自分がどの氣質で、どんな偏りを持ちやすいかを理解しましょう。
2. 意識的に異なる氣質の子に配慮する
自分と違う氣質の子の気持ちを、意識的に聞く時間を作りましょう。
3. 感情→事実→解決策の順番で
まず感情を受け止め、次に何が起きたかを確認し、最後に解決策を一緒に考える流れを大切に。
兄弟喧嘩は成長過程で自然に起こるもの。適切な仲裁により、子どもたちがお互いを尊重し合える関係を築いていけるはずです。
毎日の兄弟喧嘩にお疲れの親御さん、まずはご自身の氣質を知ることから始めてみませんか?きっと新しい発見があるはずです。
お問い合わせはこちらからお気軽に